ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻を非難する会長談話

三重弁護士会 >  総会決議・会長声明

2022年03月07日

ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻を非難する会長談話

 2022年2月24日、ロシア連邦はウクライナへの軍事侵攻を開始した。報道によれば、当該軍事侵攻によりウクライナの民間人にも多数の死傷者が出ているとのことである。また、同年2月27日には、ロシア連邦のプーチン大統領が核戦力部隊に対し特別警戒態勢をとるよう命じた、との報道もなされた。

 かかる軍事侵攻は、「すべての加盟国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危なくしないように解決しなければならない」等という国際連合憲章第2条に明確に違反するものである上、ウクライナの主権及び「ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する」というウクライナ国民の平和的生存権を明らかに侵害するものであって、到底容認できない。国際連合憲章は、戦争が世界人類に大きな惨禍をもたらしたという反省を踏まえて規定されたものであるが、今回の軍事侵攻は、かかる惨禍を繰り返すものであると言うほかない。

 また、プーチン大統領が核兵器の存在を誇示するかのような発言をしていることは言語道断であり、唯一の戦争被爆国である日本の国民として到底容認することができない。

 日本国憲法は、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認し、恒久平和主義を掲げるとともに、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」とも定めている。

 当会は、国際連合憲章に違反し、ウクライナ国民の主権と人権を侵害するロシア連邦による軍事侵攻を強く非難するとともに、日本国政府に対し、日本国憲法の理念に従った平和的解決に向けて更なる努力をすることを求める。

以 上

 

   2022年(令和4年)3月7日

 

                       三重弁護士会

                        会長 山 本 伊 仁