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2006年11月17日
割賦販売法改正に関する会長声明
近年、クレジット事業者の不適正与信が、住宅リフォームやモニター商法などの悪質な勧誘販売行為を助長し、被害を拡大させている状況が顕著になってきました。こうした状況を踏まえ、現在、経済産業省が、割賦販売法の全面的見直しに向けて、具体的対応策の検討作業に入っています。
三重県下においても、呉服の架空販売、いわゆる次々販売、門扉・カーポート等のエクステリア工事、悪質なモニター商法などに絡んでクレジット被害が発生しており、クレジット事業者の不適正与信(過剰与信のように与信そのものが不適正な場合に限らず、与信の前提となる勧誘・販売行為等が不適正な場合も含む)が被害を拡大した事例は枚挙にいとまがありません。割賦販売法の全面的かつ早期の改正が急務となっていることは明らかです。
そこで、当会は、今回の割賦販売法改正にあたり、不適正与信の排除のため、次の3つの事項を改正法に盛り込むことを強く求めます。
① クレジット事業者の加盟店に対する管理義務(継続的に加盟店の販売方法等を調査・監督する義務)を法律上明記し、その違反に対しては、営業停止等の行政上の措置に加え、クレジット事業者の消費者に対する立替金等の請求権の制限や損害賠償義務といった民事的効果を定める。
② 抗弁対抗の効果を、現行法の未払金の支払停止にとどまらず、契約の無効・取消時の既払金返還義務にまで拡大する。
③ クレジット事業者の過剰与信(消費者の支払能力を超えるクレジット契約の締結)を法律上禁止し、その違反に対しては、前記①と同様の効果を定める。
2006年11月17日
三重弁護士会
会長 杉岡 治